会報について
 円形脱毛症を考える会では2ヶ月に一回のペースで会員の皆様向けに会報を発行しております。こちらでは、会報の一部を一般の皆様にもご紹介いたします

会報一部(47号)  2005/12/18UP 

nobuちゃんの愛は脱毛症を救う PART:11 ?私のウイッグ物語?

 「ただでさえ病気で辛いのに、その上バカにされる対象であるカツラを被らなくてはならないなんてひどすぎる…。」と、最初はとてもカツラに抵抗がありました。
カツラを被ることが、病気への負担を和らげてくれるなんてことはまったく思っていませんでした。
むしろ、素頭の方をさらけだすほうが、人からバカにされないのではないかと思っていました。しかし、仕事を続けていく上で仕方なく、カツラを着用する決心をしました。
  始めてのカツラはデパートで購入しました。まだ髪がある状態だったので、部分カツラを1万円で購入しました。当時はインターネットが使えなかったので、買う場所といえば、デパートのカツラコーナーとCMでお馴染みの大手メーカーしか知りませんでした。
 デパートでの囲いは外が見えそうな位お粗末だったので、ろくに試着もせず、逃げるように帰って来ました。「髪があったら、こんなに辛い思いをしなくて済むのに…」と、帰り際涙が止まりませんでした。
 始めてのカツラでの出勤。死ぬ覚悟で会社に行きました。昨日より髪の量が増えているので、からかう人も大勢いました。「似合うよ」と慰めてくれる人もいましたが、あきらかに、カツラだとわかる髪型でした。本当に、嫌で嫌でたまりませんでした。
  しばらくは部分カツラで済んだのですが、とうとう一本もなくなり、全頭のカツラが必要になりました。勇気を出して大手メーカーに電話してみたところ、約50万円と言われました。当時21才だった私に、もちろんそんな大金はありませんでした。CMを見るたび喉から手が出るほど欲しくなりました。
 始めてオーダーで作った所は、母親が見つけてきた近所のカツラ屋でした。人毛で30万円でした。
 出来たばかりのカツラを見て、幻滅しました。髪の量がものすごく多いのです。そこのカツラ屋はカットしてくれなかったので、仕方なく美容院に持っていき、カットしてもらいました。
 なんとか被れるようになりましたが、まだ少し毛量が多い感じもしました。他人の目から見たら、以前の私より、またさらに髪の量が増えたように見えてしまいます。前回部分カツラをつけていった時に、辛い思いをしているので、このカツラを被って会社に行くことは私にとっては自殺行為でした。
  以前は病気であることが後ろめたく、カツラであることを隠しておくことが、イケナイことのように思っていました。しかし、個人情報保護法が施行され、最近、自分のプライベートはそうそう明かさなくても良いと思えるようになりました。自分の情報はきちんと守られるべきだと思うからです。
 カツラのことを聞かれたこともありませんが、もし聞かれたとしたら、この御時世、聞いてきた人のほうが無神経だと思えると思います。そんなこと言って、たぶん、聞かれたらビクビクしてしまうだろうけど、病気で髪を無くしてしまったのは仕方無いし、むしろ、それでもがんばって生きているんだ!と、誉めてもらいたいと思っています。
 現在はデパートで購入した6千円の化繊ウイッグを着用しています。カットが必要無いのと、気軽に買い替えられるところが気に入っています。しかし、安いだけあって人工皮膚はいかにもカツラっぽいし、痛みが早いのがネックです。
 昔はバレることにビクビクしていたので、カツラだとわからないものを望んでいました。
しかし最近は、バレても良いと思えるようになったので、化繊ウイッグで十分なのです。
 私の場合は、治療によって髪が生えてくるので、化繊ウイッグは治るまでのつなぎだと思っています。ただ、「治療はもういいや」って治療をストップする時が来たら、長期で使えて、アレンジの利く、オーダーで人毛のカツラを値段が高くても買おうと思っています。その日は残念ながら近いかもしれませんが…。
 始めてカツラを購入してから10年の月日が経ちました。「おしゃれウイッグ」という言葉が世間に浸透してきたこともあるのでしょうが、カツラへの抵抗は以前に比べると少なくなりました。同じ病気の人達からいろんな話を聞き、カツラの被り方も上手になりました。カツラメーカーの選択肢も増えました。
カツラは私にとって無くてはならないもので、とても大切なものです。
これからも、上手につきあっていくために日々研究を重ねる毎日です