| アメリカ在住の Yukotさん が、アメリカの脱毛症事情について、情報を寄せて
くださいました。
以下が、その、貴重なリポートです。
『円形脱毛症、Alopecia Areata(以下AA)の発症は人口の1.7%と言われていま
す。私のいるアメリカでは470万人がAAを発症しています。性別、年齢、人種をと
わず人数は今も増え続けています。こんなに多くの人が発症しているにもかかわら
ず、一般的にはストレスが原因と理解されているのが現状です。
アメリカでも日本と同様、治療法の確立はされていません。多くの人が病院をはしご
したり、民間療法を試しています。頭を低くして寝るとか、特殊なタマネギの汁を患
部にぬるとか、アロマテラピーがいいなど、独自の治療法を行っている人もいます。
特に東洋医学には興味と期待を持っている人がたくさんいます。しかし実際の所、治
療をしないという選択を選んだ人も多いです。私は外用薬や頭皮への注射をしました
が効果がなく、現在はSADBEをしています。SADBEは私には効果があり、時間はかかり
ましたが髪が生えてきています。しかしながら、生えてくる毛よりも抜ける毛のほう
が多く、結局今年になってウイッグを買いました。アメリカで買ったといっても、毛
はインドから、製作は韓国です。値段は耐久性が短い分、日本より安いと思いまし
た。
最近アメリカではバキュームタイプ(シリコンによる吸着式)のウイッグがはやりで
す。試しにかぶっている人の髪を引っ張ってみましたが、頭から少しもずれませんで
した。値段はショートで35万円程度、オーダーメイドです。私はまだ多少、自分の
毛があるので、購入までにはいたらなかったけれど、かなりそそられました。ちなみ
にAA者のウイッグは身体の失った部分を補うものとして、義肢や人工乳房と同様、医
療装具とされ、入っている医療保険によっては、購入金額の全額、もしくは一部が保
険適用される場合もあります。払った消費税は、州によっては払い戻しされます。
アメリカのAAを語る上でNAAFの存在はかかせません。ご存知の方も多いと思います。
NAAFは1987年に発足、毎年一億円以上、企業、個人からの寄付やイベント等で得た収
入で、AAの研究と疾患への理解を深める活動、及び、同じ疾患をもった人達の交流を
進めています。全米各地に65のサポートグループ、64のテレフォンコンタクトメン
バーがいて、質問や相談にのってくれます。毎年行われるカンファレンスでは、様々
な催しが行われます。今年は3日間にかけて、約700人(子供250人)の参加がありま
した。ワシントンDCで開催されたということもあり、希望者は国会議事堂で上院議員
に会い、研究費および医療保険の改善を申請しました。その他、専門家によるセミ
ナー、質疑応答や、世代別、立場別に分かれ、共通の悩みや情報の交換をしました。
子供達は学年ごとにわかれゲームやスポーツをしたようです。普段同じ疾患を持った
人と知り合う機会の少ない子供達にとっては、友達をつくる良いきっかけとなったよ
うです。アドレス交換をしている姿を見かけました。夜には、ダンスパーティや独身
者のデートゲーム等もありました。私は今年初参加でしたが、たくさんの人から元気
をもらい楽しかったです。
また、専門家によるAAの登録制度も始まりました。第一段階として、登録者は質問表
に返答し、その情報を収集して共通性を見いだします。第二段階として、対象者に採
血を行い、遺伝的な関連を調査していきます。さらに、適切かつ了解を得た人には新
しい薬の治験を行うと聞きました。現在、アメリカ在住の人に限られていますが、
5000人の登録があるそうです。私も登録したところ、第二段階の調査に呼ばれ、近々
担当者に会う予定です。私の情報が少しでも原因解明や新薬の開発に役立てたらいい
な、と思っています。
アメリカにいるという事は、私にとってはプラスであると思っています。こうして日
本の会ともアメリカの会とも交流が持て、情報も2倍。良いとこ取りだと思ってま
す。その上ここは、いろいろな人種の人達がいるため、髪の色や流行のスタイルも違
います。宗教上の理由でスカーフをかぶらなければならない人もいます。ウイッグを
おしゃれとして使っている人も多く、私としては少し気が楽です。ホームシックにな
ることもありますが、そんな時は日本の家族に電話します。AAがあることでつらくな
る時もあります。でも、世界中で多くの子供達が頑張っているのに大人の私が頑張ら
なくてどうするんだと自分に言い聞かせます。私のアメリカ生活もいつ終わりになる
かわかりません。後悔しないようにいろいろな経験をして楽しみたいと思います。
少しはアメリカの脱毛症事情が伝わったでしょうか。もっと興味のある方はNAAFのカ
ンファレンスに参加されてはいかがでしょうか。来年のカンファレンスは6月24日か
ら27日カリフォルニアで開催されます。世界中にこんなにたくさんの仲間達がいると
思うと勇気がでてきますよ。』
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